東京都北区地域公共交通基本条例、制定

「東京都北区地域公共交通基本条例」が制定されました。
北区議会として史上初となる議員提案による政策条例として、全議員の皆様のご賛同により可決・成立いたしました。
「東京都北区地域公共交通基本条例」は、東京23区で初となる条例で、誰もが安心して快適に移動しやすいまちづくりに関して基本理念を定め、施策を区・区民・事業者及び公共交通事業者の協働により総合的、計画的及び効果的に推進し、区民が健康で暮らしやすい社会の実現に寄与することを目的としております。

10月7日の北区議会本会議にて、戸枝が条例提案演説を行いましたので、掲載いたします。

東京都北区地域公共交通基本条例の提案理由についてご説明申し上げます。
議場の皆様にご提案申し上げております地域公共交通基本条例は、地域公共交通に関して、国における地域公共交通活性化再生法の制定や、道路運送法などの改正を背景として、より区民生活に直結する問題として、北区の固有の状況を踏まえて、地域の公共交通の利便性向上を目指しております。

そこで、本条例案の意義は大きく4つございます。
第一に、区政の重点施策として、コミュニティバスの条例上の位置づけを明確にします。
第二に、北区の魅力である 交通利便性を再評価し、地域公共交通の充実をまちづくりに活かします。
第三に、公共交通へのアクセスを確保することでSDGSターゲット11.2を推進します。
第四に、行政提案ではなく、議員提案により本条例案の実現を目指すことにあります。

ご案内の通り、北区の地理的な問題として高低差を有する地域が多いこと、区民の高齢化、そしてSDGSのサステナブルシティの理念や、北区が「ゼロ・カーボンシティ宣言」を行っていることを踏まえた条例内容となっております。

私どもの北区では、2008年に現在のKバスであるコミュニティバス2路線が運行開始され、14年が経過しており、今後新規路線の開通も見込まれているところでありますが、当初の運行実現までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。私もバス路線提案者の一人でありましたが、その当時の状況としては、現在のような地域公共交通という概念も乏しく、地域の交通利便性を高めたいという、地域住民の皆様の素朴な思いと運動の積み重ねによって、現在のKバスの運行に繋がったという経緯があります。
その後、地域住民の皆様に支えられてKバスの運行実績を積み重ねてきたことや、国の法改正によって、地域公共交通会議が設立されるなど、ようやく地域公共交通という概念が定着しつつありますが、ここで今一度原点に立ち返り、地域公共交通の発展は地域住民の皆様の切なる願いであることから、住民の代表たる議会からの提出条例として、この地域公共交通基本条例を制定すべきであると考えます。

なお、本条例案の基本骨子については、2014年に大畑修議員より本会議において初めてご提案があり、以来数度にわたり執行当局と激論を交わされております。この議論を叩き台として、昨年11月より、北区議会全会派の代表の皆様に呼びかけ人会としてご参加頂き、計5回の意見交換会を行い、その後、議会全体での検討会を経て全議員の皆様のご理解を頂き、北区議会として史上初めてとなる議員提案による政策条例の制定を目指して、現在の成案へと至っております。
その過程におきまして、大畑修議員、稲垣浩議員には、条例案取りまとめ呼びかけ人会の幹事として多大なご尽力を頂きました。また、ご協力を頂きました議会事務局ならびに関係理事者の皆様にも感謝申し上げます。

現下の環境問題や超高齢社会に対応して、この北区において、より交通利便性を高め、多様な交通手段を活用して、区民の誰もが安心して快適に移動しやすいまちづくりを実現することを目指して、この地域公共交通基本条例成立へのご賛同を議場の皆様に改めてお願い申し上げます。

以下、地域公共交通基本条例案の前文を読み上げることによって提案理由説明といたします。

東京都北区は、豊かな歴史と文化遺産、飛鳥山の桜や荒川の水辺空間があり、山手線、京浜東北線、宇都宮線、高崎線、埼京線、地下鉄南北線、東京さくらトラム(都電荒川線)及び都営・民間バス路線が通り、埼玉県に接し「東京の北の玄関口」として、都市基盤の進展とともに交通利便性の優れたまちとして発展してきた。
一方、南北に崖線が走り「高低差」による地形的な課題があり、超高齢社会の急速な進行やバス路線の再編等に伴い、移動に困難を感じる区民の声が高まっている。
このような状況の中、環境問題や超高齢社会に対応し、より交通利便性を高め、魅力ある東京都北区を創造し「多様な交通手段を活用して、誰もが安心して快適に移動しやすいまちづくり」を実現することが重要である。この考え方はSDGsのターゲット11.2と共通のもので、「北区ゼロカーボンシティ宣言」にもつながるものである。そのためには、公共交通事業者だけではなく、区や区民、事業者も一体となって地域公共交通を支えていくことが求められている。
よってここに、地域公共交通が区民の暮らしを支え、自由に移動できる手段として、区民が将来にわたって安全に住み続けるために必要不可欠なものであることを認識し、誰もが安心して快適に地域公共交通で移動しやすいまちづくりを目指して、この条例を制定する。

以上ご提案申し上げます。

東京都北区地域公共交通基本条例<全文>

東京都北区議会プレスリリース資料「北区議会初となる議員提出の政策条例を可決」
東京都北区議会地域公共交通基本条例可決プレスリリース